読書感想文〜本紹介〜『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』2024.01.31 水 11:39
今回紹介する小説は夢枕獏氏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』です。
この小説は作者が18年かけて書いた伝奇小説なのでとても読み応えがあります。
物語としては平安時代に真言宗の開祖で有名な弘法大師こと空海が、遣唐使として中国の唐に行くという話になるんですが、舞台の中国の唐の時代風景歴史と皇帝を頂点とする権力構成。過去の皇帝である玄宗と楊貴妃にまつわる秘事などを史実を軸にフィクションを織り交ぜて壮大なスケールで描かれています。他にも仏教の話や妖術の話があり、全4巻と少し長めなのですが1巻1巻に山場があり、とても読み応えがあります。
この作品の空海はどこか同作者の作品の『陰陽師』の安倍晴明に似ており、そちらが好きな方はこちらを読んでも楽しめると思います。