読書感想文〜本紹介〜『皆勤の徒』2025.08.31 日 11:19
今回紹介する小説は酉島伝法氏の小説『皆勤の徒』です。
こちらはSFの短編集になるのですが、正直1発目読んだ時は何が何だか分からず、世界観も不思議で若干気持ち悪いところも多く、非常に読みづらかったのですが、いざ読み終わって解説を読んでもう一度読み返すと、理解が深まるそんな小説になっています。
そしてこの作品をより難解にしているのが造語でルビが多く振られており正直とても読みづらいです。例えば[皿菅]とかいて[けっかんもどき]と読んだり響き的に聞いたことあるんだけど聞いたことのない[冥棘]や[製臓業]など分からない言葉が多くとても読みづらいと思います。
この小説には4つの短編があるのですがオススメなのは表題作の『皆勤の徒』と最後の『百ヶ似隊商』の2つです。
まず『皆勤の徒』はこの短編集の中で1番読みづらいのですが、他の短編よりも時系列では後の話になり、他の短編を読んでから再度読むと理解が深まるそんな短編になっています。
内容は気持ち悪い生命体と機械の判別がしにくい世界で隷重類という種族名の皆勤だけが取り柄の従業者の日々の仕事を追う話になっていて、最初は全然よく分からなかったのですが、他の短編と解説を読み、再度読み返すと内容がよく理解でき、なるほどと思えるそんな短編になっています。
次に『百ヶ似隊商』はこの短編集の中で1番読みやすい短編になっており、これまで出てきた話の解説みたいな部分もあるので読みやすいのですが最初には読んで欲しくない、そんな短編になってます。
最後にはなるのですがこの小説は虫やグロテスクな表現が多く読む人を選ぶのですが合う人には合うそんな小説になってますので興味を持った方は是非1度は読んでみてほしいそんな小説です。
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